「もうどうでもいいや」
「どうせ自分なんて」
何もかもが嫌になる時、可愛がってくれた人の顔が浮かぶかどうか。
浮かぶなら、自分に問う。
「おいテメー自分を誰だと思ってるんだ?」
「自分を卑下してもあの人に失礼だろ?」
〜
東京時代最後のライブは、サポートしてたインミルがメインのイベント。
こちとら所詮サポート。例え自分が最後だろうと、黒子としてインミルの世界観創出のサポートが出来ればそれでいい。
そう思ってた。
名曲「ホワイトノイズ」。
儚く散りそうなBメロから、荘厳かつ壮大なギターソロへと突入する。
ギターのオカムラさんは、いわゆるパフォーマンスというものを一切しない。
直立不動で無表情のまま客席すら見ず、ただギターに魂を込める。
いざギターソロ。その刹那。
オカムラさん、客席に背中を向けた。
で、俺に笑顔を向けた。
多分だけど、
「今までありがとうな。」
「岡山戻っても頑張れよ」
俺に対するそんなメッセージだったんだと思う。
〜
「ライブは客のために弾く」
常識ですらある。
そのギターソロ中、オカムラさんはずっと客席に背中を向けていた。
俺のためにギターソロを弾いてくれた。
ベース弾きながら、涙が止まらなかった。
〜
例えば初対面の方と上手く喋れなかった時、
秘密基地の予約がドタキャンされた時、
「どうせ俺なんて。。」
とかいう気持ちが出そうになる。
違うだろ?
お前には理想があるんだろ?
そうやって自分を焚きつけるエネルギーには限界がある。
そんな時、俺はオカムラさんを思い出せたら大丈夫。
お前さぁ、自分を誰だと思ってるんだ?
あのオカムラさんに可愛がって貰った男だぜ?
身体がしんどいなら休めばいい。
けど精神が腐っちまったらオカムラさんに失礼だろうが。
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