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執筆者の写真Bun(ブン)

炊飯器をマニュアル通りに使えるかどうかと、お米が好みの炊き具合になるかどうかは別問題である。



初めて自分でお米を炊いたのは一人暮らしを始めた18歳の時。


何をどうしたらお米が炊き上がるのかが皆目見当もつかなかった自分にとってマニュアルは唯一の拠り所。


特に水量。


「このラインに水を入れて下さい」


なるほど悪くない。


マニュアル上として、水量はクレームや反論を最も受けにくいラインに設定されてるのだろう。


ただ、上手く炊けたかどうかと、そのご飯が好きかどうかは別問題。


こちとら「やや固め」が好きなのだ。


ならばマニュアルから外れなければならない。


試行錯誤した結果、炊飯器の水量ラインより「1ミリ下」で炊くと、お米は好みのど真ん中に仕上がってくれた。



「ギターは爆音にならないようにしましょう」


「歌声の周波数は◯◯ヘルツ以下をうっすらカットしましょう」


バンドにおける音作りにおいても「マニュアル」は存在する。


確かに先人達が築き上げたコツやノウハウは惨劇を避けるためにも有効だし、悪いようにはならない。


ただ、マニュアルがあなたの好みかどうかは別問題なのだ。


「マニュアル通りが一番好き」


結果としてそうなる場合もある。


ただそれは、あくまで「特にこだわりが無い場合」とか、「色んな試行錯誤を経た結果そうなった」というだけで、マニュアルを「唯一の正解」というふうにしてしまうと、ただの思考停止になる。


それが勿体ないのは、もしかしたら違うパターンがめっちゃ好きかもよ?という可能性を消してしまうこと。


言い換えると、好みのど真ん中と出会うには、そもそも「自分はどんな炊け具合のお米が好きなのか」を知る必要があるのだ。

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