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執筆者の写真Bun(ブン)

最初は楽譜を読めなくても当たり前。補助輪なしではいきなり自転車に乗れないみたいなこと。



「楽譜が読めないんです」という相談を受ける際、その多くは①記号の意味を理解するのに時間がかかり過ぎる②そもそも記号の意味がわからない という2点に集約される。


確かにバンド演奏にしてもセッションの現場にしても、楽譜を読めたほうがいい。


結局は数をこなすしか無いんだけど、ではどのように数をこなせば、少しずつでも楽譜の読解力は上がるのか。


例えるなら、自転車。


補足事項や自分なりの意訳を楽譜に直接書いてしまうことで「補助輪」を付けてあげる。


ダカーポ記号を見つけたら「1ページ目へ戻る」と手書きしてしまえばいいのだ。


自転車の動きを演奏に置き換えると、


ハンドル=左手(音程の調節)

ペダル=音を出す

ブレーキ=音を止める


となる。


まずは、ここから。


そしてここまで出来ても、


転ばず迷わずゴールに到着する=ノーミスで一曲弾けるとは限らない。


自転車操作が出来るようになったとて、スタートの時点で方角を間違えてると目的地へは辿り着けない。


それと同様に「狙った音」を「狙い通りのタイミングで」弾けたとしても、そもそも「狙った音」が「出すべき音」ではなかったっていう事もありえるから。


その「間違えずに弾けるかどうか」というのは、例えば「ペダルをちゃんと漕げれるか」という段階をクリアしてる前提がある。


ペダルの漕ぎ方もわからずに補助輪なしの自転車に乗って大怪我をしてしまったとして、「もうこんな辛い目に合うなら自転車なんて乗れなくていいや」という結末も無くはない。


だから楽譜上への但し書きという補助輪。


「このダルセーニョはAに戻る」とか、記号がたくさん出てくる中で「ぶっつけ本番で」初見で理解しようとしても大怪我になる。


「音楽がこんなに難しいものならもう演奏なんて出来なくていいや」というのが個人的に寂しい。


出会えたかも知れない音楽仲間が減ることになるから。


そうなるくらいなら、いくらでもカンペしていいと思う。


繰り返し記号に矢印をつけて見やすくするとか。



そりゃいつかは補助輪を外さなきゃいけない。


少なからず怪我もする。


けれど予め補助輪をつけて練習しておく事で大怪我は避けられる。


やっぱり音楽は楽しさありきだから。



セッションの現場で「ワインレッドの心」を弾きたくなったので作った楽譜。


赤い四角は赤い四角に、緑の矢印は緑の矢印にワープ。


究極、初心者ミュージシャンの方々に補助輪を付けてあげること、そしていつか補助輪を外す時に大怪我をしないようにサポートするのが自分の仕事だと思っている。





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