クリスマスである12月25日は僕にとって「劣等感の誕生日」。
僕の通った高校は決して偏差値の高い高校ではなかったけど、
それでも一応クラスで2番目の成績。
そこで絶対王者だったのがトモヤス君(仮名)。
もうね、入学当初から成績はズバ抜けてた。
そして賢いだけじゃなくスポーツだって万能だし、
ユーモアもあるし社交性も高い。
それでいてさわやか。もちろん彼女もいる。
僕とは正反対の「完全無欠のリア充イケメン」。
で、何が腹立つって歌もうまい。
文化祭でボーカルやる始末。
一方で当時の僕はラルクのコピーバンドのベーシストを
クビになったばかり。
が、
ここで初めて彼に勝てるかもしれない
「千載一遇のチャンス」が訪れる。
それがクリスマス。
トモヤス君、
どうやらクリスマスにライブハウスでボーカルをやるらしい。
リア充核爆発しろよ畜生。
クリスマスにバンドなんぞにうつつブッこいてる間に発狂レベルで勉強して、
せめてテストで勝ってやる。
んでね、誇らしげに言ってやるんだよ。
【これくらいしか取り柄がないから】ってね。
〜
でね、
勝てなかった。
やっぱり2番だった。
休みを犠牲にして学習机にしがみついてたのに。
遊ぶ友人もいないのだけど。
クリスマスにリア充水素爆発してた彼に勝てなかった。
千載一遇のチャンスを逃したワケです。
〜
そんな僕は現在ベーシスト。
主な使命は、初心者ミュージシャンに「音楽は簡単に始めれて楽しく続けられるよ」
とお伝えする事。
併せて、イジメられっ子の「居場所」になってあげられる事。
そんな「秘密基地」。
岡山駅から徒歩10分の所にあるので、
この先どこかでトモヤス君と鉢合わせする事も
大いにありえるワケです。
もし鉢合わせしたらお互いの近況報告をすることになるでしょう。
でね、その時僕は秘密基地の事を胸をはって
彼に話すと思うんです。
【これくらいしか取り柄がないから】ってね。
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