例えば初期の総合格闘技は「柔道VS空手」とか、異なるジャンル(特性)が対決する面白さがあったし、
サッカーにしても「ボールで遊ぶブラジルVS死ぬ気で走るアイルランド」みたいな対決もあった。
一芸と言い換えてもいい。
一芸はわかりやすい。だから楽しみやすい。
例えばミルコ・クロコップ。
必殺技はハイキック。
格闘技未経験な人間でも、ミルコの試合は楽しめる。
一芸に注目できるという事は、見所はわかっているということ。
「ハイキックが決まるかどうか」。
単一的な技術に集中できるから、その第二段階として「なぜ決まるのか」「なぜ負けたのか」を考えられるようになる。
相手からすればミルコのハイキックは是が非でも避けなきゃいけないわけで、そのためにまず頭部をガードする。
ミルコはそのガードを下げたい。
だからミルコはまず相手の(がら空きになってる)脇腹を攻める。
脇腹へのダメージや痛みを蓄積させ、相手がついついガードを下げた瞬間にハイキック一閃。
それがミルコの王道パターンで、だからこそ脇腹へのダメージを最後まで我慢してガードを下げなかったヴァンダレイシルバには勝てなかった。
こと「ファンを増やす」という目的において、やはりわかりやすさは大切だと思う。
〜
「お金に綺麗も汚いも無い」という言葉があるけれど、
「ファンに素人も玄人も無い」と思う。
ゆえに心がけているのは「わかりやすいパフォーマンス」。
いま存在する(プロアマ問わず)ミュージシャン人口を更に増やすことは、結果として音楽というジャンルのレベルの底上げになると思うから。
そしてその手段として、わかりやすさが有効だから。
だから例えばセッションの現場では、最後の音はいつも「同じ型」で出したり、
こまかなテクニックというよりは、耳が肥えてなくても目でわかるプレイに重きを置いている。
Comments